衣服と断熱

衣服と寒さの関係

人は暑ければ服を脱ぎますし、寒ければ着込みます。つまり体感温度と衣服は切っても切れない関係にあります。研究者によって概ね下のようにまとめられています。

1cloとは,室温21度,相対湿度50%,気流0.1m/sの環境下で,安静椅座の成人男子が暑くもなく寒く、 もなくちょうど良いと感じる(快適に感じる)衣服の熱抵抗を表します。(通常の熱抵抗に換算すると1clo=0.155m2K/W)0cloとは裸の状態であり、この時快適な温度は30度と言われていますから単純計算では、着衣量が1クロ増えると、温度は9℃減ることになります。(30度-21度=9度)ではcloを温度に変換してみます。服装と室温の関係から体感温度を割りだし快適温度の物差しにしてみます。

 

服装

clo値

摂氏℃

0

30.0

半袖+半ズボン

0.3

27.3

長袖+長ズボン

0.5

25.5

長袖+薄ベスト+長ズボン

0.6

24.6

ワンピース

0.7

23.7

長袖+薄カーディガン+長ズボン

0.7

23.7

長袖+セーター+長ズボン

1

21.0

スーツ上下

1

21.0

長袖+スーツ上下+ベスト

1.14

19.7

厚手セーター+ロングスカート

1.2

19.2

スーツ上下+長袖下着+セーター+ズボン下

1.3

18.3

長袖+セーター+薄手ジャンパー(裏地なし)

1.56

16.0

長袖+フリース+長ズボン

1.67

15.0

長袖+セーター+ジャンパー(毛83%裏地あり)

1.78

14.0

長袖+フリース+長ズボン+タイツ

2

12.0

スーツ+コート

2

12.0

厚手セーター+タイツ+長ズボン+コート

2.2

10.2

オートデスク CFDシミュレーション他より

 

もし室温が21度でもセーターの上に何かを重ね着しなければ、テレビを観たり、読書をしていて肌寒いと感じているのであれば、室温は20度を下回っているはずだと推測ができます。

 

快適な温度に必要な断熱性能は?

衣服で調整するのではなく、建物に厚着をさせて、つまりは断熱性能を高めて体感温度を高めることを検討してみます。ゴールとするのは上の表から長袖+セーター+長ズボン姿で快適な21度とします。冬の時期に一番冷たくなる窓ガラスを色々変えて計算をしてみます。ガラスの表面温度は下の式から求めることができます。

体感温度は簡易的に下の式から求めることができます。

 

092413_0341_2.gif

 

この式は室温と表面温度(天井・壁・窓・床の平均表面温度)は等価であるとしていますので、表面温度は21度になるように断熱性能を設定すればよいということが分かりました。

一番簡単な窓ガラスで21度になるガラスを検討してみます。窓ガラスの室内側表面温度は下の式で計算ができます。

092413_0341_3.gif

 

外気は0度と設定し、ガラスの断熱性能(熱貫流率)はガラスメーカーのカタログから求めることにします。

 

ガラスの種類

熱貫流率W/㎡K

表面温度℃

単板硝子

5.9

6.5

ペアガラス

3.4

12.6

高性能ペアガラス

(Low‐Eペアガラス)

1.5

17.5

Low‐E真空ガラス

(遮熱型)

1.0

18.6

真空ペアガラス

0.8

19

 

流通している窓ガラスで最も断熱性能が高い窓ガラスでも21度にすることはできませんでしたが、近いところまでは引っ張り上げることができる事はわかりました。

 

体感温度求める

では各ガラスの場合の体感温度を求めることにします。上の体感温度の式にはめ込むと、体感温度は下のように求めることができます。

 

ガラスの種類

表面温度℃

体感温度℃

(表面温度+21度)÷2

単板硝子

6.5

13.75

ペアガラス

12.6

16.8

高性能ペアガラス

(Low‐Eペアガラス)

17.5

19.25

Low‐E真空ガラス

(遮熱型)

18.6

19.8

真空ペアガラス

19

20

 

簡易的に一番冷える窓だけで計算をしてみました。実際には窓ガラスだけでできたお部屋はなく、窓よりは高い温度の壁や天井・床壁等を加味しますと、真空ガラスであれば設定温度21度により近くなるはずです。何しても窓ガラスで判断しておけば安全な結果、それ以上に悪くはならないであろうと判断できるはずです。